展覧会

しあわせなタバコ

特別展 和田誠の仕事@たばこと塩の博物館 タバコをやめて十数年経つ。そのころ200円台前半だった一箱の値段は、税金の値上げによって400円台に突入した。もしも禁煙しないで吸いつづけていたら、この値上げにどう対処したであろうか。 わたしのばあい、就職…

観ていない展覧会の図録

日本近代洋画の名品選@神奈川県立近代美術館(鎌倉館) 鎌倉は想像を絶する大渋滞だった。べつに車で鎌倉を訪れたわけではない。駅を出て小町通りから鶴岡八幡宮に向かおうと思ったら、見渡すかぎり道は人の頭で埋めつくされており、思わず横丁を右に折れ、…

下落合風景を満喫する

佐伯祐三展―下落合の風景―@新宿区立新宿歴史博物館

風景と静物

長谷川潾二郎展―平明・静謐・孤高―@平塚市美術館 平塚の町。これまでわたしにはまったく縁がなかった。町の名前で思い出すのは、ベルマーレ平塚(湘南ベルマーレの前身)、箱根駅伝の中継所であり、中学高校時代同じ苗字の同級生がいたなあという程度。東海…

今年最後のミュージアム

木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン@東京都写真美術館 先日村山槐多展を観て、仕事に追いまくられ煮詰まった頭にとって、こういう展覧会による息抜きは欠かせないと実感した。たとえいくら忙しかろうと、映画を観たり、展覧会に足を運んで絵などを…

槐多熱ふたたび

「ガランスの悦楽 没後90年 村山槐多」@渋谷区立松濤美術館

歌麿・北斎・写楽の名品

中央大学創立125周年記念特別展 浮世絵百華@たばこと塩の博物館

まぼろしの一丁倫敦

一丁倫敦と丸の内スタイル展@三菱一号館

松本清張と印刷

松本清張展―清張文学との新たな邂逅@世田谷文学館 去年の夏、念願かなって小倉の松本清張記念館を訪れることができた。汗がしたたりおちるような猛暑の一日だった。来年(つまり今年)が松本清張の生誕100年にあたり、各種イベントが開かれることを知ったの…

艶消しの絵肌の魅力

岡鹿之助展@ブリヂストン美術館 ブリヂストン美術館を訪れたのは初めてのこと。休日だと混雑するのがいやなので、ゴールデンウィークでもあえて平日の夜、仕事帰りを選んだ。20時まで開いてくれるのが嬉しい。そして美術館はとても落ち着いており、好ましい…

遺憾な図録品切

没後五十年 川瀬巴水展―東京風景版画@江戸東京博物館常設展示室企画展 この企画展を知ったのが最終日近くになってからだったのは迂闊であった。すでにホームページでは図録品切が断られていたので、観に行くことを躊躇したけれども、展示されている巴水の東…

秋田美人のイメージ

木村伊兵衛展『街角・秋田』@写大ギャラリー(東京工芸大学中野キャンパス) 木村伊兵衛が秋田、とりわけこのところわたしも縁がある内陸部の横手や六郷の人びとを写真におさめたことは、ちくま文庫の田沼武能編『木村伊兵衛 昭和を写す4 秋田の民俗』*1を…

橋の展覧会ふたつ

企画展 隅田川の橋づくし@タイムドーム明石 企画展 千住で一番江戸で一番千住大橋展@荒川ふるさと文化館 長男を連れて散歩に出かける。今日の目的は、ふたつの区立ミュージアムで開催中の、隅田川に架かる橋梁に関する展覧会。別に連動しているわけではな…

大充実の世田谷文学館

永井荷風のシングル・シンプルライフ@世田谷文学館 「脚本と映画 橋本忍の仕事」特集展示@世田谷文学館 先日訪れた東京都庭園美術館の「建築の記憶」展もそうだったが、今回の「永井荷風のシングル・シンプルライフ」展も初日にさっそく駆けつけた。だから…

建築と建築家と写真家と

建築の記憶―写真と建築の近現代―@東京都庭園美術館

博物館の落とし穴

宮廷のみやび 近衛家1000年の名宝@東京国立博物館 先日国立美術館のキャンパス・メンバーズについて書いた。このとき東京国立博物館にも同様の制度があることを紹介した。東博の場合、メンバーになっている大学の教員・学生は美術館と同じく常設展無料であ…

キャンパス・メンバーズという恩恵

所蔵作品展「近代日本の美術」@東京国立近代美術館 特集 国吉康雄―寄託作品を中心に―@東京国立近代美術館 いつだったか、職場のあるキャンパスを歩いていたとき、学内掲示板に貼られてあった一枚のポスターにふと目がとまった。勤務校が「国立美術館キャン…

歴史と星空のコラボレーション

特別展「関東戦乱―戦国を駆け抜けた葛西城―」@葛飾区郷土と天文の博物館 暖かい陽気の関西出張から戻ったその日の夕方、長男を連れて冷たい時雨のなか自転車で博物館に向かった。 なぜそこまでして葛飾区郷土と天文の博物館までおもむいたかと言えば、これ…

植草甚一の雑食作法

「植草甚一 マイ・フェイヴァリット・シングス」@世田谷文学館

川瀬巴水の版画技法

特別展「川瀬巴水 旅情詩人と呼ばれた版画絵師―没後50年―」@大田区立郷土博物館

国民的作家の人気

特別展「文豪・夏目漱石―そのこころとまなざし―」@江戸東京博物館 阿佐ヶ谷で映画を観たあと、中央線・総武線でまっすぐ両国まで。江戸博で開催中の「漱石展」を観る。先日観た「東北大学の至宝展」同様、先生から招待券を頂戴していた。ありがとうございま…

わが母校の100年

企画展 東北大学の至宝―資料が語る1世紀―@江戸東京博物館 今年わが母校東北大学は創立100周年を迎えた。これを記念して、大学が所蔵する史・資料(古文書や考古遺物、標本など)を一堂に展示する展覧会が今日から始まった。 わたしの出身研究室の先生や先輩…

「動植綵絵」の出張中には

香淳皇后の御絵と画伯たち展@宮内庁三の丸尚蔵館 相国寺に「動植綵絵」が出陳されているあいだ、これらを所蔵している宮内庁三の丸尚蔵館では何をやっているのだろう。こんな意地悪で悪趣味な気持ちが芽生え、確かめてみることにした。もとより三の丸尚蔵館…

「池辺群虫図」を選ぶ

開基足利義満六〇〇年忌記念 若冲展@相国寺承天閣美術館

澁澤さんの家のほうへ

企画展 澁澤龍彦 カマクラノ日々@鎌倉文学館

佐伯祐三と佐野繁次郎

パリのエスプリ 佐伯祐三と佐野繁次郎展@神奈川県立近代美術館・葉山館

澁澤龍彦の評伝的展覧会

澁澤龍彦―幻想美術館展@埼玉県立近代美術館 この展覧会は澁澤龍彦没後20年を記念して企画されたものだという。あれから20年。わたしが澁澤龍彦という名前を知ってから20年ということになる。早いものだ。 これまでも澁澤にまつわる展覧会はいくつかあったけ…

印象的な自画像三作

生誕100年 靉光展@東京国立近代美術館 金曜日は夜20時まで開いている。仕事を無理矢理片づけて竹橋に向かう。 靉光の作品はそれほど多くないそうだが、そのなかで130点ばかりを集めた大回顧展となった。これまで自分が書いた文章を検索すると、この東京国立…

戦前日本のシュルレアリスム

「池袋モンパルナスの作家たち」展@板橋区立美術館

出不精を悔いる

「企画展 文京・まち再発見2 近代建築 街角の造形デザイン」@文京ふるさと歴史館 去年は諸事あって身辺余裕がなく、ただ散歩だけを目的に歩くということがほとんどなかった。職場周辺、とりわけ谷根千地域を歩くこともほとんどなくなった。最近この地域も変…