2002-01-01から1年間の記事一覧

フィジカルな荷風論

世に永井荷風論は数多あれど、とりわけ愛読者の多さと高い評価で群を抜き、また、いまだに新鮮さを失わず、荷風論といえば必ずといっていいほど言及されるのは、野口冨士男さんの『わが荷風』だろう。私がその存在を知ったときにはすでに中公文庫版は品切に…

吉本興業の秘密

冨田均さんによる新宿末広亭席主北村銀太郎さんの聞書き『続 聞書き・寄席末広亭』(平凡社ライブラリー)の面白さついては先日書いた(8/24条)。これを読んでさらに興味をそそられていた事柄に、北村さんと吉本興業東京支社長の林弘高氏との関係がある。 …

[読前読後]現代日本パンツ史の快著

井上章一さんの新著『パンツが見える。―羞恥心の現代史』(朝日選書)はいろいろな意味で(?)刺激的な書物であった。 井上さんは、現代日本パンツ史(?)をめぐる大きな通説に真っ向から立ち向かい、あらゆる資料を駆使してそれらの説が根拠のないもので…