2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

インスタントコーヒーの飲みすぎは

堀江敏幸さんの新作『燃焼のための習作』*1(講談社)を読み終えた。 大好きな長篇『河岸忘日抄』と対になる作品らしいということで、初出掲載誌である『群像』2012年1月号を買ってまで読もうとしたのだが、途中で頓挫したまま単行本の発売を迎えてしまった…

パリへのあこがれ

丸の内ピカデリー 「ミッドナイト・イン・パリ」(Midnight in Paris、2011年) 監督・脚本ウディ・アレン 小林信彦さんの本を読んでいると、クリント・イーストウッドやウディ・アレンが高く評価されていて(最新刊『非常事態の中の愉しみ』*1)、洋画を観…

再読の連鎖

原田マハさんの長篇小説『楽園のカンヴァス』*1(新潮社)が、画家アンリ・ルソーをめぐるミステリであるということを知ったとき、頭に浮かんだのは、仏文学者岡谷公二さんによるルソーの評伝『アンリ・ルソー 楽園の謎』*2(中公文庫)のことだった。 手も…

第101 そしてY市へ

松本竣介展を観に行き、「Y市の橋」探訪への気持ちが高まってきてはいたけれども、もう少し間をおいてからと思っていた。ところが、ふと思い立って松本竣介展についてつぶやいている人がいないかとツイッターの検索をかけてみたところ、「Y市の橋」に描か…

岩手で観る松本竣介

生誕100年松本竣介展@岩手県立美術館 今年のゴールデンウィーク、無謀にも妻の実家がある岩手に帰省することにした。渋滞が嫌なので最初渋っていたけれども、盛岡にある県立美術館にて松本竣介展が開催中であることを知り、ならばと行くことに決めた。とこ…

山形人にとっての高橋由一

近代洋画の開拓者 高橋由一@東京藝術大学大学美術館 おそらくこの展覧会の中心的な企画者なのだろう、芸大の先生である古田亮さんの『高橋由一―日本洋画の父』*1を読んで、万全の体制で観に行った。本当は昨日の昼休みに行く予定だったが、外に出てまもなく…