2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

実験小説の季節

出張の夜、学生時代の飲み会ではいつも二次会に立ち寄っていた飲み屋にて、恩師・先輩と飲み、別れたあとはホテルまでまっすぐ戻らず、わざと人通りの多い道を遠回りして帰った。変わってしまった仙台の町をたしかめたいということもあった。 広瀬通と東二番…

いつしか遠く旅したと

生誕100年藤牧義夫展 モダン都市の光と影@神奈川県立近代美術館鎌倉館 昨年7月、藤牧の郷里館林にある群馬県立館林美術館で開催された藤牧義夫展のときは、会期の比較的早い時期に観にいったが(→2011/7/30条)、今回は最終日にぎりぎり間に合った。それに…

鎮魂の書

堀江敏幸さんの新刊書評集『振り子で言葉を探るように』*1(毎日新聞社)に収められた小沼丹作品の書評を読んでいたら、猛烈に小沼さんの小説を読みたくなった。それは「幸せな不意打ち」と題された『風光る丘』評のこんなくだりである。あちこちで笑いをと…

西片町と阿部家

「収蔵品展 伯爵家のまちづくり―学者町・西片の誕生―」@文京ふるさと歴史館 18日までということで、昼休みに観にいく。ぎりぎり間に合った。特別展・企画展というほど大規模なものでなく、地下の展示室を全面使ったものではないこぢんまりとした展覧会であ…

都市から郊外へ

「都市から郊外へ―1930年代の東京」@世田谷文学館 川本さんの『白秋望景』を集中して読む時間と空間を確保したいという気持ちもあって、雨のため子どものサッカーへのつきあいがなくなった土曜日、電車を乗りついで烏山の世田谷文学館へと足を運んだ。この…

雪よ林檎の香のごとく

川本三郎さんの新刊『白秋望景』*1(新書館)が出たことを知らなかったのは、川本ファンとして痛恨事だった。なにかの新刊案内で見たおぼえはあるのだがそのまま忘れ、別の新刊『時には漫画の話を』*2(小学館)の著者紹介中に『白秋望景』とあったのを見て…

わがユーミンおぼえがき

わたしが一番好きな歌い手は、いまもむかしも松任谷(荒井)由実である。 なぜ唐突にこんなことを書きだしたかというと、最近就寝前などにYou Tubeを見ることが多く、そこにたくさんアップされているユーミンの曲を聴き、関連動画のつながりで「あれも、これ…