2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

原敬・日記・特別室

原奎一郎さんの『ふだん着の原敬』*1(中公文庫)を読み終えた。 この本を買ったきっかけは、著者にある。もちろん原敬にまったく興味がなかったわけではない。といっても、研究者としての興味ではない。平民宰相、おなじ東北出身(原敬は岩手)という、どち…

洲崎パラダイス縦断

石版画のパイオニア 織田一磨展 「東京風景」と「大阪風景」@平木浮世絵美術館 池袋にある某大学にて開催された某学会に出席し、聴きたかった報告がすんで休み時間に入るとすぐ有楽町線に乗って豊洲まで出た。目指すは、ららぽーと豊洲にある平木浮世絵美術…

裸体画づくし

ぬぐ絵画 日本のヌード1880-1945@東京国立近代美術館 締切が迫った仕事の校正のため、竹橋の国立公文書館に行く。そのあとはお決まりのコース。隣の近代美術館へ。金曜は20時までということで、公文書館の開館時間ぎりぎりまで調べ物をしても、余裕で観るこ…

池袋モンパルナスふたたび

池袋モンパルナス展@板橋区立美術館 1930〜40年代を池袋モンパルナスで過ごした画家のうち、板橋区にゆかりのある寺田政明(俳優寺田農さんの父)・古沢岩美・井上長三郎を中心に、池袋モンパルナスに暮らした画家たちの作品を展示した展覧会。 板橋区立美…

浮世絵からわかること

浮世絵戦国絵巻〜城と武将@太田記念美術館 午前中職場で所用をすませ、地下鉄を乗りついで表参道までゆく。そこから表参道を神宮前の太田記念美術館まで歩いた。いま読んでいる吉田篤弘さんの『木挽町月光夜咄』*1(筑摩書房)に、表参道A4番出口という語句…

映画館の空気がゆるむとき

むかしの日本映画を映画館で観ているとき、ある俳優がはじめて登場する場面で、いっとき館内の空気がゆるむ、和やかになる、という経験をすることがある。そういう雰囲気をつくる俳優として浮かぶのは、伊藤雄之助、小林桂樹、三國連太郎の三人である。 存在…

本を出します

来月、講談社選書メチエより、新著『記憶の歴史学 史料に見る戦国』を刊行します。ISBNが付き、アマゾンに出ていたので*1、ここでも紹介できるようになりました。さっそくツイッターで軽美伊乃さんに紹介していただきました。ありがとうございます。 紹介文…

香川京子特集はじまる!

映画女優 香川京子@東京国立近代美術館フィルムセンター 「君と行くアメリカ航路」(1950年、新東宝) 監督島耕二/原作赤坂長義/脚本長谷川公之/美術河野鷹思/灰田勝彦/斎藤達雄/田崎潤/香川京子/江川宇礼雄/澤蘭子/伊達里子/暁テル子/風見章子

東京の坂道には風情がある

坂道・ぶんきょう展@文京ふるさと歴史館 通勤にはいつも東京メトロ千代田線を使っている。職場は本郷台地上にあり、地下鉄は本郷台地と上野台地に挟まれた谷間の下を走っているから、坂道を登らなければ職場にたどりつけない。 その日の気分や体調、仕事の…

抱一を堪能する

酒井抱一と江戸琳派の全貌@千葉市美術館 酒井抱一という名前を知ったきっかけは漱石の小説だった。いま『漱石全集』の総索引(第28巻)にて調べてみると、『虞美人草』に最初に出てくる。逆に立てたのは二枚折の銀屏である。一面に冴へ返る月の色の方六尺の…