2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

寺田寅彦についての本に弱い

小山慶太さんの『寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』*1(中公新書)を読み終えた。著者の小山さんは早稲田大学の先生。理学博士とあり、物理学史や啓蒙的な科学書などの著作がある。寺田寅彦とおなじ専門の先生なのだろう。 本書は物理学者から…

時代と心中するということ

『沙漠に日が落ちて 二村定一伝』*1(毛利眞人著、講談社)という本が出ることを新刊案内で知ったときに感じたのは、「色川武大さんがたしか書いていた人だ」「エノケンとコンビを組んでいた人だ」というほどのものであった。 刊行後さっそく購入し、読む前…

再読してわが身の変化を憂う

岩波現代文庫に入った川本三郎さんの『郊外の文学誌』*1を読み終えた。 この本の元版*2が新潮社から出たのは、2003年2月のこと。とおして読むのは約9年ぶりのことになる。わたしは3月2日に感想を書いている(「都市東京にはたらく遠心力」と題してさるさる日…