笹森礼子の本領

「少女」(1961年、日活)
監督堀池清/原作石坂洋次郎/脚本池田一朗森本吉彦川地民夫/笹森礼子殿山泰司

築地から銀座三原橋あたりにかけての風景を映し込んだ作品として注目。浅丘ルリ子の二番煎じ的な笹森礼子だが、この作品では実に生き生きしている。以前観た「お嬢さんの散歩道」は、田園調布のお嬢様役と見せかけて実はその屋敷に住み込みで働く女中の役という意外性で、これが彼女の雰囲気にぴったりだったことを思い出すが、この映画も田舎から東京に出てきたあか抜けない少女役が実にはまっている。こういう役がいいと思う。奇しくも同じ堀池監督。「お嬢さんの散歩道」のほうが一年早い。