激しい芦川いづみ

「学生野郎と娘たち」(1960年、日活)
監督中平康/原作曾野綾子/脚本山内久中原早苗芦川いづみ長門裕之/伊藤孝雄/仲谷昇清水将夫/峯品子/岡田真澄殿山泰司/波多野憲

学生寮に住む大学生(とくに女子大生)たちの生活風俗を描いた群像劇。中原早苗はとても活発な女の子、芦川いづみは真面目で毅然とし、つつましい寮生活を送る女の子として造型されている。それぞれそのキャラクターどおり。
中原早苗岡田真澄の早口での台詞の応酬が愉しい。この作品での岡田真澄の役柄は面白い。バイトをしていたキャバレーのどら息子に犯され、それから破滅の道を歩みとうとうどら息子を殺して睡眠薬自殺をしてしまうという芦川いづみは、前半での真面目学生という雰囲気から一転、激しい。芦川さんが人殺しをする役というのは、他の出演作品であるのかしらんと思う。その意味では珍しいかもしれない。