2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧

《『虚無への供物』刊行40年記念企画》「永遠の薔薇―中井英夫へ捧げるオマージュ展」第一会場:ギャラリー・オキュルス/第二会場:古書啓祐堂 仕事帰り立ち寄る。地下鉄南北線で白金高輪下車。白金台で本来降りるべきところ、一つ手前で降りてしまったが、…

青空が見えたら

ストレスとは厄介なものである。もとより神経質だからストレスが生じやすい体質であるのだけれど、ここ数ヶ月はとくにひどい。 以前書いた咽喉頭異常感症により喉に何か物がひっかかっているかのような感覚は投薬治療などで解消に向ってはいるものの、なお肩…

第55 仙台の本屋のにおい

今回の出張は単身だった。同僚数人と行く場合、夜はたいてい飲むことになる。一人だと話し相手がいなくて淋しい反面、ひと仕事終えた夕方から夜にかけては自由に行動できるのがいい。とりわけ今回は勝手知ったる仙台の町であり、中心部にあるホテルに投宿し…

洲之内コレクションとの出会い

仙台に行った。今回、もし時間に余裕が生じたら足を運びたいと思っていた場所があった。宮城県美術館である。ここには洲之内徹さんの没後その収集品を一括して収めた「洲之内コレクション」があるのだ。『気まぐれ美術館』*1(新潮文庫、旧読前読後2003/9/3…

女性作家と「書巻の気」

同じ町を対象にしても、ドライバーの目線で見る町の姿と、徒歩者の目線で見る町の姿はずいぶん違うと思う。いま「徒歩者」のようなこなれぬ言葉を使ったのは、仕事などやむをえない事情で歩く人と、さしたる目的を持たず歩くことを楽しむ人の間でも町は違っ…

大学堂書店@本郷三丁目 ★丹羽文雄『魔身』(中公文庫) 「祖母との秘事を重ねてきた女婿の父は、檀家の女とも通じて寺を去り、母も家出した」(カバー裏梗概)という長篇。カバー、100円。 ★辻邦生『モンマルトル日記』(集英社文庫) 1968年、パリ・モンマ…

本棚は本を引き寄せる

大学に入学してひとり暮らしを始めたとき、ワンルームの部屋のなかに本棚を一本置いた。そこには、これから学んでいく科目の教科書や辞書のほか、実家から持っていった横溝正史の角川文庫本数冊が並んでいたのみ。 その後読書を好むようになるにつれ本棚に並…