2004年印象に残った本

一階でも二階でもない夜

恒例の、この一年間で印象に残った本について。下に印象に残った本の月別リストを掲げた。全冊数は231冊。今年の新刊(文庫含む)には★印をつけたが、昨年にくらべて★印が多い印象だ。
ただ、別のところで書いたが、純粋な新刊小説となるとあまり読んでいない。そのなかでは、直木賞候補にもなった北村薫さんの『語り女たち』がベストか。北村さんと言えば、『ミステリ十二か月』も刺激的な本だった。そこで紹介された本をたくさん読みたくなり、このうち数冊を読んだ。
小説・エッセイ・評論などのジャンル不問で今年もっとも面白かった本をあげるとなれば、堀江敏幸さんの『一階でも二階でもない夜』だろうか。ぐいぐいと引っぱって読ませる反面で読むのが惜しかった本。その意味で川本三郎さんの『我もまた渚を枕―東京近郊ひとり旅』もそうだった。

今年は新趣向で、読み終えることができずに挫折した本もあげてみる。ここにあげた本は戸板康二川本三郎獅子文六ら好きな書き手が入っているように、「面白くなかった」という理由で挫折したものではない。その時々の自分の精神状態、ほかに並行的に読んでいた本、読書中に発売された本との兼ね合いなどで読書を後回ししているうちに、継続の意志が薄れてしまった本である。