2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

澁澤龍彦署名本で壊れた

ブックオフ松戸駅西口店 ★澁澤龍彦『太陽王と月の王』(大和書房) カバー・帯、600円。棚から取り出して値段を見ると600円とある。「ずいぶん安いなあ」と感じたが、既所持・既読の本ゆえ買うつもりはなかった。ところが見返しを見てびっくり、あの特徴のあ…

獺祭的混沌と満州的混沌

先日書いたように、わたしは朝日新聞を購読している。出久根達郎さんの最新長篇小説『かわうその祭り』*1(朝日新聞社)は、昨年4月から10月にかけ同紙に連載されていた。 もとよりわたしは新聞連載小説を読むという習慣がない。唯一熱心に読み、切り抜いて…

ああ幻の中原弓彦脚本映画

衛星劇場(HDD録画) 「進め!ジャガーズ 敵前上陸」(1968年、松竹) 監督前田陽一/脚本中原弓彦(小林信彦)・前田陽一/ザ・ジャガーズ/中村晃子/てんぷくトリオ(三波伸介・戸塚睦夫・伊東四朗)/内田朝雄/三遊亭円楽 この映画の存在を知ったのは、…

柏にて都筑道夫をかき集め

妻が柏に買い物に行くというので、これ幸いと同道を申し出る。たしか駅近くの太平書林が新装オープンしたはずなので、行きたいと思っていたのだった。 ところが行く時間が早すぎたのか(午前中)、土曜日は休業なのか(それはたぶんないだろう)、店が閉まっ…

文春リベラルの直撃

矢口純さんの『酒を愛する男の酒』*1(新潮文庫、→5/24条)を水源に発した小さな「読書川」が、たくさんの支流を合わせ滔々たる流れとなり、そこからまた幾重にも支流を生み出していくような大河になりつつあるとは、想像だにしなかった。 矢口さんの本を読…

版画と和紙とレンブラントと

高校時代、芸術系の教科(美術・書道・音楽)は選択制だった。家人に聞いてもそうだというから、80年代の普通科高校はたいてい同じだったのではあるまいか。このなかで私は美術を選択していた。 高校で初めて体験する油絵や銅版画(エッチング)が物珍しかっ…

石田波郷ふたたび

俳句の世界から少し遠ざかってしまっているが、決して絶縁を決め込んだわけではない。とくに石田波郷を介しての興味は細々ながらつづいている。 旧読前読後を検索してみると、石田波郷に夢中になっていたのは、いまから4年前の2001年だったことがわかる。講…