2004-07-21から1日間の記事一覧

ひろい読み断腸亭日乗(6)

昭和22年7月20日条 七月二十日。日曜日。晴。土用の入。風ありて暑気稍忍び易し。 此頃の闇値一鰻蒲焼一串 二拾円より四拾円(以下略)今日は土用丑の日。いまは一串いくらだろう。週刊朝日編『値段の明治大正昭和風俗史(上)』*1(朝日文庫)によれば、昭…

老年小説と花柳小説

野口冨士男さんの短篇集『しあわせ』*1(講談社)を読み終えた。 本書は純粋な小説集としては生前最後のものになるようである(本書刊行後自選作品集とエッセイ集が出ている)。「横顔」「妖狐年表」「ぶっちぎり」「薄ひざし」「うしろ姿」「しあわせ」の6…