年末年始の購入本

恒例の年末年始ブックオフめぐり報告。山形市内にブックオフは4店舗あるが、去年まであった鳥居ヶ丘店が拡大移転のかたちで南館店となった。ここは山形でも最大の店舗か。わが家からの距離は近くなって行きやすくなったのが嬉しい。
今回のブックオフめぐりでは、買い漏らしていた新刊書を購入できたほか、堀江敏幸黒井千次両氏の署名本を入手するという幸運があった。

庄野潤三『誕生日のラムケーキ』(講談社
カバー・帯、850円。この店には「家族物」連作の単行本をはじめ、庄野さんの本がたくさん並んでいた。そのなかでも本書のようなエッセイ集はなかなかお目にかかれない。ISBN:4062053616
目黒考二笹塚日記 うたた寝篇』(本の雑誌社
カバー・帯、850円。新刊で買おうと思いつつ書籍部には入らず、いずれ東京堂などに行ったとき買おうと方針変更したものの、時間が経って忘れてしまっていた本。ISBN:4860110412
青木雨彦『課外授業―ミステリにおける男と女の研究』(講談社文庫)
カバー、105円。先日読んだ北上次郎(=目黒考二)『感情の法則』の解説で池上冬樹さんが、北上さんはかつて青木雨彦の『課外授業』『夜間飛行』ようなエッセイを書きたいと吐露し、実現したのがこれら『活字学級』や『感情の法則』などであると指摘していたことで気になっていた。ISBN:4061341294
和田誠『お楽しみはこれからだ part6』(文藝春秋
カバー、800円。12月から突如憑かれたようにこのシリーズを探し始め、現在1,2,5,6の四冊を入手している。ISBN:416351600X
堀江敏幸『郊外へ』(白水uブックス
カバー、450円。なんと、扉に署名が入っていた!! すでに元版もこの白水uブックス版も持っているけれど、嬉々として購入。ISBN:4560073473
坪内祐三『酒日誌』(マガジンハウス)
カバー・帯、850円。『笹塚日記 うたた寝篇』と同じ経緯。『笹塚日記』のほうは一年経過してしまっているが、こちらはまだ新刊書店でも目立つところに並んでいそうな「新鮮さ」だ。ISBN:4838717210
中野翠『コラム絵巻 20年SPECIAL』(毎日新聞社
カバー・帯、650円。これも新刊時(昨年7月)買うのを迷ったが、まあこのシリーズは多く愛読しているし、そのアンソロジーだからいいかと、あえて買わなかった。ところが署名入『郊外へ』入手で気分が大きくなって買うつもりになった。ISBN:4620317616
源氏鶏太七人の孫』(角川文庫)
カバー、200円。たしか森繁久弥主演でドラマ化された作品ではなかったか。源氏鶏太原作であることを初めて知った。ISBN:4041224489
筒井康隆『不良少年の映画史(全)』(文春文庫)
カバー、350円。ダブりで、持っているのは帯付きなのだが、ムレがひどくて読む気が起きなかったため二冊目購入。といってもこれも小口が削られているからいまひとつ。ISBN:4167181053
青木雨彦『夜間飛行―ミステリについての独断と偏見』(講談社文庫)
カバー、105円。上の『課外授業』参照。ISBN:4061341405
阿刀田高左巻きの時計』(新潮社)
カバー、105円。夕刊フジ連載エッセイ集の元版。ISBN:4103343060
文藝春秋編『大アンケートによる洋画ベスト150』(文春ビジュアル文庫)
カバー、105円。『…邦画ベスト150』は愛読書であるが、洋画はとんと縁がない。でも105円だし、いつ洋画にはまるかわからないので、見つけたときに買っておく。ただ、ところどころ赤鉛筆で線が引かれているのが気になる。ISBN:4168108082
井伏鱒二『人と人影』(講談社文芸文庫
カバー、500円。買ってきてから気づいたが、本書は本文はセーフだったけれども「人と作品」に赤線が引いてある。色といい線質といい、上の『洋画ベスト150』と同じ人による線らしい。うーむ、『洋画ベスト150』と井伏鱒二のエッセイ集。一見結びつかないこの2冊。売った人と買ったわたしの嗜好が同じであることに感じ入る。ISBN:4061960660
大槻文彦言海』(ちくま学芸文庫
カバー、1150円。これも新刊時購入を迷い結局買わなかった。学芸文庫の白いカバーは読んでいると汚れが目立つので苦手だ。だからこの『言海』のような時々めくるかもしれない辞書に、白カバーと帯があるとかえって使いずらい。このように古本で手に入れたほうがわたしにとっては都合が良かったかもしれない。けっこう使い込まれた本のようで、背だけ見ると学芸文庫でなく、ふつうのちくま文庫かと見間違えた。それほど黄ばんでいたということ。ちなみに本書にも「降り性」「照り性」はない。ISBN:4480088547
黒井千次『一日 夢の柵』(講談社
カバー・帯、1000円。昨年の野間文芸賞受賞作。短篇集。これも気になっていた本だった。見返しを見るとびっくり、この本にも署名が入っている。しかも落款付き。ついでに献呈宛名あり。送り状まで挟んである。日本近代文学館理事長名の文書で、同館の運営に尽力した感謝のしるしとして、副理事長の近著である本書を贈呈するという内容。近代文学館はそういうことをするのだなあ。しかもきちんと副理事長は署名までする。あきれたのは日付が2006年12月であること。せっかくの贈呈本がひと月程度でブックオフに売り払われてしまった悲しさ。でもそんな署名本を手に入れたわたしはちょっと嬉しい。なぜ山形のブックオフにはこうも署名本があるのだろう。別に山形だけではないか。東京で丁寧に探せばもっとあるのか? ISBN:4062131161