東京都現代美術館を堪能す

今回の常設展示のうちの一企画「1920年代の東京」は、企画展「東京府美術館の時代 1926-1970」展にちなんだものだという。府美術館が開館した大正末期は、震災復興の気運が盛り上がり、新しい都市東京が勃興しつつあった。その時期に描かれた版画、油絵作品などが展示されている。
圧巻は、恩地孝四郎・諏訪兼紀・平塚運一・川上澄生・深沢索一・藤森静雄・逸見享・前川千帆の8人の版画家によって制作された連作版画集『新東京百景』が一堂に展示されていたこと。テーマ別にずらりと並ぶモダン東京の風景に酔った。
これまで上にあげた版画家のなかでは、藤森静雄が好きだったが、今回『新東京百景』を見て、逸見享の作品に惹かれるようになった。もし『新東京百景』が手元にあったら、きっと飽かずに眺めているだろうなあと思う。
その他国吉康雄・清水登之、柳瀬正夢の作品も展示されていた。

内容は上記「平成日和下駄」参照。