一部屋古本市

南陀楼綾繁さん(id:kawasusu)のお誘いで、南陀楼さんの蔵書処分イベント「一部屋古本市」に参加させていただく機会を得た。
この間練馬区立美術館を訪れたときには、その北にある向山の住宅地に足を伸ばしたのだった(→2004/9/23条)。そこで今回は美術館のある中村橋から南に向かって歩き、西武新宿線鷺ノ宮駅を目指すことにした。
住所でいえば、練馬区中村、中野区鷺宮あたり。日曜の昼下がりだったためか、家の中の会話も聞こえてくるのではないかというほど、予想外に閑静な住宅地で、好印象。鷺ノ宮駅から北へ伸びる商店街沿いに古本屋一軒あり。西武新宿線−山手線経由で日暮里下車、久しぶりに谷中墓地を通ったので、いつものとおり岩田豊雄獅子文六)・色川武大お二人の墓前に手を合わせたあと、会場に向かう。谷中墓地はお彼岸ゆえ人が多い。
一部屋古本市の会場は、たまに日暮里で下車して職場へ歩いて通勤するときの通り道にあって、びっくり。数え切れないほど何度も前を通ったのに、南陀楼さんからお示しいただいたランドマークにこれまでまったく気づかなかった。

  • 一部屋古本市 in やなか
神吉拓郎『東京気侭地図』(文藝春秋
カバー・帯、500円。
平山三郎『詩琴酒の人―百鬼園物語』(小沢書店)
カバー・帯、600円。神吉さんの本とこの平山さんの本は、気になりつつも、これまで縁がなかった本。その場では感情表現を抑えていたけれど、実はひそかに嬉しい。
阪田寛夫『わが町』(晶文社
カバー、500円。阪田さんが親しんだ関西の町々について、その町の思い出を絡めて綴った連作エッセイ。精算したあと、残った本の山を眺めていたら、目に入った。ISBN:4794933053

雑誌に目もくれないで本ばかりに注目していたら、南陀楼さんから「こんな雑誌もあるよ」と勧めていただいたのは、日本文芸社から出ている雑誌『荷風!』第2号だった。川本三郎さんも寄稿されていて、下町映画特集がある。本屋でこの雑誌を見かけ、気になりながら、どうも胡散臭さを感じて手に取ることをしなかった。この号を見ると、その認識は撤回しなければならない。今度見つけたら立ち読みでもしよう。
今回の一箱古本市では、これまでネットの上でしか知らなかった方々と面識を得ることができた。どんな方が参加されていたのかは、いずれ南陀楼さんのサイトで報告があるだろう。お誘いくださった南陀楼さんに感謝申し上げたい。
【追記】昨日のことについては、一緒に古本探しを楽しんだ退屈男さん(退屈男と本と街)の記事に詳しく書いてある。退屈男さん、昨日はお世話様でした。