「男性自身シリーズ」完集!

何日か前に「古本を買わなくなった」「執着心がなくなった」と書いたが、あれはたんに買いたいと思わせる本に出会わなかっただけ、一過性の鬱状態に過ぎなかった。東京を離れてからというもの、一転躁状態になって買いまくっている。
今日も午前中、ブックオフ山形桜田店へ行く。文庫棚を眺めていると、下記のような考証系の渋い中公文庫がぞろぞろと105円棚から見つかり、「これはただごとではない」と気を引き締めて棚をチェックすることにした。
文庫棚だけでなく、単行本の棚にも何かあるのではないかという予感をおぼえ、丹念に見て回ったところ、大豊作にめぐりあった。わたしは素人の本好きにすぎないから、プロよろしく「せどり」という意識で古本屋を訪れたり、そういう意識で古本を買うことを固く戒めているのだが、105円コーナーにあれだけの本が並んでいるのを目にすると、どうしても「せどり」的に買い求めずにはいられなかった*1。それでも買わずにスルーした山口瞳本の多さよ。

都筑道夫『袋小路』(徳間文庫)
カバー、300円。文庫オリジナル短篇集。ISBN:4195676827
★岡茂雄『本屋風情』(中公文庫)
カバー、250円。ブックオフにこの本があるとは。ISBN:4122010616
川瀬一馬『随筆 柚の木』(中公文庫)
カバー、300円。上に同じ。どんな人がこういう本をブックオフに売るのだろう。ISBN:412201638X
野坂昭如『真夜中のマリア』(新潮文庫
カバー、105円。長篇。
安藤鶴夫『巷談 本牧亭』(角川文庫)
カバー、105円。ちくま文庫版で既所持・既読だけれど、105円という値段がいけない。
野呂邦暢ふたりの女』(集英社
カバー・帯、105円。短篇集。まったく知らなかった短篇集だから、珍しいものに違いない。
山口瞳『余計なお世話 男性自身シリーズ』(新潮社)
カバー、105円。ダブり。ISBN:4103226285
山口瞳『還暦老人ボケ日記』(新潮社)
カバー、105円。ダブり。ISBN:4103226358
山口瞳『還暦老人憂愁日記』(新潮社)
カバー・帯、105円。ダブり。ISBN:4103226366
吉行淳之介山口瞳『老イテマスマス耄碌』(新潮社)
カバー、105円。ダブり。吉行・山口両人の対談集。これまでは滅多に見なかったが、最近古本屋で頻繁に見かけるようになった。不思議だ。ISBN:4103925019
丸谷才一山口瞳『男の風俗・男の酒』(TBSブリタニカ
カバー・帯、105円。ダブり。丸谷・山口両人の対談集。
山口瞳『少年老い易く』(講談社
カバー・帯、105円。ダブり。短篇集。
吉行淳之介編『また酒中日記』(講談社
カバー・帯、105円。ダブり。ISBN:4062052695

午後は、先月「発見」した山形待望の古本屋香澄堂書店まで歩いて往復。

  • 香澄堂書店
殿山泰司『三文役者あなあきい伝 PART2』(講談社文庫)
カバー、400円。同文庫版のPART1は持っていた。
小林信彦『地獄の観光船』(集英社文庫
カバー、400円。コラム集。これは別題で再刊されているのだろうか。そんな気がする。ISBN:408750753X
都筑道夫『キリオン・スレイの復活と死』(角川文庫)
カバー、400円。第1集の『〜の生活と推理』、第3集の『〜の再訪と直感』を持っていたので、居心地が悪かった。
都筑道夫『悪意辞典2 幽霊売ります』(角川文庫)
カバー、200円。
筒井康隆『狂気の沙汰も金次第』(サンケイ出版)
カバー、100円。夕刊フジ連載山藤挿絵本の元版。元版は山藤さんの挿絵がすべて収められているわけではないことが判明。文庫版から全点復活収録されるというのは珍しいパターンでは。
山口瞳『男性自身』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第1集。
山口瞳『ポケットの穴』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第2集。
山口瞳『父のステッキ』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第4集。
山口瞳『天下の美女』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第7集。
山口瞳『変奇館日常』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第8集。
山口瞳『変奇館の春』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第9集。
山口瞳『銀婚式決算報告』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第11集。
山口瞳『元日の客』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第12集。
山口瞳『人生仮免許』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第14集。
山口瞳展覧会の絵』(新潮社)
カバー、500円。男性自身シリーズ第15集。

「男性自身シリーズ」の古いところからずらりと並んでいることに興奮した。最初は懐具合と相談して、古いところで未所持のものから3冊だけ買い、あとはまたいずれ出会えるだろうと諦めようとした。でも帰宅してから「いま買わないと…」という強迫観念にかられ、妻の許可を得て、未所持のシリーズ残り7冊を買うために、今度は車で出撃。無事すべて入手できた。これでたぶん「男性自身シリーズ」元版はすべて揃えたことになる。
これで何を持っていないのか、本を目の前に迷うことはなくなった。こんなに早く揃うとは思ってもいなかったので、嬉しい。

*1:せどり」的に買うというのは、ダブり承知で、あるいは読まないような本を買うという意味で使っている。