RIMPA展

「今度の琳派は違う」という触れ込みで、クリムトやルドン、ウォーホルまでの作品を位置づけようとする意欲的な企画。とはいえ私はそもそも琳派なるものがどういう特徴を持つのかわかっていないので、純粋に展示された作品を観ることだけを楽しみに美術館におもむいた。
休日ということもあって、来場者の数がすごい。ゆっくりと作品を鑑賞できない。尾形光琳俵屋宗達らの作品を筆頭に展示された絵のなかで、いいと思ったのは、抱一の「夏秋草図屏風」「月に秋草図屏風」だった。渋さのなかにリアルな草花。葉の緑の陰翳に見とれる。外国人の作品では、ルドンの「オリヴィエ・サンセールの屏風」に一票。

RIMPA展とくらべてゆっくり落ちついて見ることができる。鏑木清方の「墨田川舟遊」と「明治風俗十二ヶ月」(うち九月・十月)、松本竣介の「Y市の橋」、野田英夫の「帰路」。野田の「帰路」は、絵具をガリガリと削って白く輪郭を表現するあたりがいい。特集展示は靉光。自画像や「眼のある風景」をはじめとする国立近代美術館所蔵作品8点が一同に揃った。深海魚(?)などをスケッチした巻物「素描図巻」が珍しい。
また「東都名所」と題する日本画家らの連作のうち、下村観山の「日本橋」に目が釘付けになった。もし自分が東京に関する本を出すとすれば、この絵を装画に使いたいと思わせる素晴らしさ。