モクローくん大感謝祭ふたたび

結婚恐怖

三百人劇場のある本駒込から動坂を下って千駄木の古書ほうろうまで歩く。道灌山下から本駒込まで、不忍通りが大きく弧を描くように曲がっており、その二点間を直線で結んで歩いたという感じ。しかも台地を下るいっぽうだから意外に近いという印象。
古書ほうろうでは会期が明日までの「第一回モクローくん大感謝祭」開催中。初め頃に一度訪れたので、今日が二度目。ただ、モクロー君棚の前に、若い男女二人が並んでいる本を立ち読みしてクスクスと笑いながら楽しんでいた様子だったために、その背後から覗き込むのも気が引け、棚をじっくり眺めることができなかった。まあ仕方がない。かわりにウィンドーの花森安治装幀本をじっくりと。
購入本は以下の三冊。

黒井千次『嘘吐き』(新潮社)
ISBN:4103272082/カバー・帯。ときどき読みたくなる黒井千次さんの短篇小説。黒井さんの本は商業的成績はよくないのか、なかなか文庫に入らないため、単行本で見つけたときに買っておきたい。「日常の微妙なずれにからめとられた十人の男」(帯の惹句)
石和鷹『地獄は一定すみかぞかし―小説暁烏敏(新潮社)
ISBN:4104159018/カバー・帯。新潮文庫版もあるはずだけれど、均一本として上の黒井さんの本と二冊で500円になるので、ついでに。石和鷹さんの作品は最近気になっていて、先日池袋の八勝堂書店で泉鏡花文学賞受賞作で谷中の居酒屋を舞台にした短篇「野分酒場」を含む『野分酒場』(福武文庫)を入手したばかり。これも何かの出会いだろう。こちらは伊藤整文学賞受賞作。
小林信彦『結婚恐怖』新潮文庫
ISBN:4101158371/カバー・帯、500円。これも古本屋で目にするたび気になっていた長篇小説。見たら坪内祐三さんが解説だったので即買い。