句集に縁ある一日
- 伊勢丹浦和大古本市
- ★『永井龍男全集』第12巻(講談社)
- 函、1500円。全集最終巻の端本で、俳句集に年譜・著作年譜・書誌が付く。俳句集には、『文壇句会今昔』全文に加えその拾遺369句、句集『雲に鳥』に加え「雲に鳥以後」として177句が収録。解題によればこれまで詠まれた句は3246句あるという。江國滋さんの『俳句とあそぶ法』(朝日文庫)を読んでもっとも好ましかったのが久保田万太郎、ついで東門居こと永井龍男の句だった。この人の句をもっと読みたいとかねがね思っていたので、嬉しい。
十二月二十二日
柚 子 湯 し て 石 版 東 京 圖 絵 と 決 む
五列目にて芝居を見て
討 ち 入 り や い ろ は に ほ ま で 雪 の 中
- ★山口瞳選・日本ペンクラブ編『人生の読本』(集英社文庫)
- カバー・帯、200円。
「個人と組織の狭間で歪み苦悩する生活者の文学」
がテーマ。木山捷平・安岡章太郎・庄野潤三・開高健・源氏鶏太・井上靖・永井龍男・城山三郎・山口瞳ら。巻末に山口瞳×豊田健次の解説対談。 - ★山本夏彦『ダメの人』(中公文庫)
- カバー、285円。文春文庫版は既所持。
先日ここで入手した『悦ちゃん』の「二匹目の泥鰌」を狙ったのだが、そんなうまい話はなかった。ただ、本を見ている間にセール時間に突入し、文庫本全品210円均一になったので、当初は見送っていた『多情仏心』を買うことに。