踊りの迫力

フラガール」(2006年、シネカノンハピネット/S・D・P)
監督・脚本李相日/脚本羽原大介松雪泰子蒼井優豊川悦司山崎静代岸部一徳富司純子池津祥子徳永えり寺島進高橋克実

フラガール メモリアルBOX [DVD]いつか観ることになるだろうと思っていたが、このようにCSで放映されたのを録画もせずそのまま観ることになろうとは思わなかった。観始めたらもう目が離せなくなった。
SKD出身というふれこみで東京からやってきたダンサー松雪泰子が一人で踊っているところを、蒼井優らが息を呑んで見つめる場面、その後それと同じ振りの踊りを体得した蒼井優が踊っているところを母親の富司純子が見つめる場面、ラストのハワイアンセンター開幕日における蒼井がソロで踊る場面、この三つの踊りの反復させる構成がにくい。
ストーリーのちょうど半分ほどで、蒼井をダンスに誘った同級生徳永えりが、家庭の事情で夕張に去る場面が入り、その後静ちゃんのお父さんが落盤事故で亡くなる場面になる。このあたりの「泣き」の場面が踊りの場面とうまく混ざり合って、結局最後まで観つづけてしまった。
ところで最近話題の日本映画には、豊川悦司岸部一徳富司純子あたりの役者さんがたいてい出ているような気がするのは、気のせいだろうか。
今回は「日曜邦画劇場」の枠で放映されている。前後に李相日監督と軽部真一さんのトークがあって、さすが映画愛好家軽部さんの指摘は鋭くかつ読みが深く、感心しながらこれもみてしまった。岸部一徳さんが役者としてだけでなく、演出サイドにも大きく寄与していたことなど、二人のトークを聞いたあとそのシーンを思い出すとなるほどと、もう一度観返してみたくなる。