スクリーンで観たかった

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THE 有頂天ホテル」(2005年、東宝
監督・脚本三谷幸喜役所広司戸田恵子生瀬勝久松たか子佐藤浩市伊東四朗篠原涼子角野卓造原田美枝子香取慎吾オダギリジョー川平慈英堀内敬子麻生久美子浅野和之唐沢寿明寺島進/YOU/西田敏行梶原善津川雅彦近藤芳正

古い日本映画を観るとなると、すぐに予定を立て、フットワークも軽く平日仕事帰りでも休日でも厭わず出かけてゆくというのに、新作映画となるとてんで反応が鈍くなる。「ああ、これ観たいなあ」と思う映画は決して少なくないのだけれど、だからといってスケジュール表に予定を書き込むなどの具体的行動に出ない。料金が二の足を踏ませるのか。
THE 有頂天ホテル」も、観に行こう行こうと思いながら、結局DVDが出てしまい、レンタルも開始されてしまった。ようやくレンタルDVDで観ることが叶ったが、やはりこの映画は最初にスクリーンで観るべきだったと後悔した。
家族の長風呂を利用して一人で観ていても声を出して大笑いできたのだから、映画館で観るとどんな雰囲気だったのか。ああ、惜しいことをした。スクリーンで最初に観て大笑いし、あとでゆっくりDVDで細部を愉しみ、伏線を確認する。これが「THE 有頂天ホテル」の正しい愉しみ方なのではあるまいか。
以下笑えた点をアトランダムに。役所広司が元妻の原田美枝子を前にしてホテル副支配人の身分を隠し豹変するシーン。そこで役所にどなりつけられた生瀬が歯がみするおかしさ。白塗りの顔のまま洗顔クリームを求めホテルの中をさまよい歩く総支配人伊東四朗唐沢寿明のいかにも不摂生な生活をしていそうな顔色の悪さ。津川雅彦近藤芳正親子の大耳。オダギリジョーの筆耕係のおでこを広くしたメイクと小さい文字しか書けないという職業病(とその裏腹な前衛的書風)。角野卓造の「くねくねダンス」。大物演歌歌手西田敏行の舞台前の鬱病。音痴で字が下手くそな役所広司
コールガール篠原涼子角野卓造の「くねくねダンス」を携帯電話で撮影し、それを待ち受け画面にしていたため、角野は慌てて消去させようとする。辛いことがあってもこの画面を見ると忘れるという言葉と、ちらりと遠目で見える「くねくね」画像だけで、全体を想像しなければならない。やっているのがあの角野さんというだけで笑えてしまう。
長風呂から上がって途中から観だした長男は、サンタクロースの髭で「謹賀新年」を書くオダギリジョーにウケていた。本当は、もっと大きな筆が必要とオダギリジョーに所望され、役所広司がサンタクロースの人形を探し出し、頭をくるりと回転させるシーンのほうが笑えたのだが。
THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD]