ともだちよこれがわたしの…

毎日最低一本は古い日本映画を見つづけるという一週間をすごした。ストレス解消に端を発したとはいえ、われながら常軌を逸した狂乱の一週間だった。
月曜日に観た「牛乳屋フランキー」の感想に「月曜からスラップスティック」というタイトルを付けたときは、たんに「一週間が始まったばかりなのに、月曜からスラップスティックという楽しい映画を観るとは…」という自嘲的な意味を込めたにすぎなかった。
火曜日夜に観た「パレットナイフの殺人」の感想を書こうとしたとき、ふと頭にロシア民謡「一週間」のメロディが浮かんできた。「日曜日に市場へ出かけ 糸と麻を買ってきた」で始まり、「てゅらてゅらてゅらてゅらてゅらてゅららー てゅらてゅらてゅらてゅららー」で終わるあの有名な歌である。
今週は木曜夜に新文芸坐に、土曜にシネマアートン下北沢に行く予定を入れていたので、あとは火曜・水曜・金曜に映画を観れば一週間毎日映画を観つづけることになり、「○曜日に〜」というタイトルを付ければ「一週間」のパロディになるとほくそ笑んだのは、ウェブで駄文を書きつづけているゆえの弊害だろう。目的と手段を取り違えてしまっている。まあ、ストレスをどうにかせねばという強い思いが、いつしかとにかく一週間映画を観つづけるんだという手段にすり替えられたおかげで、ストレスを忘れることができたのかもしれない。
もっともだからといって来週からストレスのない日々が始まるというわけでもない。一日の終わりに、くだらぬニュースなどを見てだらだらと夜を過ごすかわりに映画を観るということが習慣化しつつある。一日一本映画を観たいという気持ちになっている。
とはいえやはり仕事をして家族生活を送るなかで毎日映画一本を観るというのも、それなりにどこかに歪みを生じさせているに違いない。今週のわたしの行動は、どこか一本ネジが外れてしまったゆえの常軌を逸した行動ということで、来週からはまたふつうに仕事をして本を読んで映画を観て子供と遊んでという平凡な暮らしに戻ることにしよう。
以上、ともだちよこれがわたしの一週間の仕事です。