GW映画三昧のしめくくり

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七人の侍」(1954年、東宝) ※二度目
監督黒澤明三船敏郎志村喬加東大介木村功千秋実宮口精二/稲葉義男/津島恵子藤原釜足/土屋嘉男/島崎雪子左卜全/高堂国典

今年のゴールデンウィークは映画をよく観た。そのしめくくりにふさわしく―といっても、返却期限当日に迫っていたという別の事情もあったのだが―、いよいよ「七人の侍」を観ることにした。
まだ家族が寝ている間に一人起き、観始めると時間を忘れ、朝食のインターバルをはさんで前編後編を一気に観つづけ、ゴールデンウィーク最終日の午前中があれよあれよという間に終ってしまったのだった。
最初に観た約2年前(→2004/7/24条)の印象的な記憶が、それ以後読んだ映画関係の本、そして先日読んだ都築政昭『黒澤明と「七人の侍」』*1朝日文庫)で固定した像として決定的に定着してしまっていたけれども、あらためて観返せば、書物などで文字として頭に残っている名台詞や、最初に銃弾に倒れる平八、つづく五郎兵衛、最後の決戦で撃たれる久蔵、菊千代、いずれの戦死シーンも、この壮大な映画のスピーディな流れのなかでは一瞬の場面に過ぎないことがわかり、なおのこと感慨が深まった。
七人のなかでは、勝四郎=木村功が眼をきらきらさせながら「あなたは素晴らしい人だ」と賞賛の言葉を口にするのと同じく、久蔵=宮口精二がやはり「素晴らしい」。加えて今回は、「苦しいときほど頼りになる男」平八=千秋実の明るさに惚れ惚れした。七人のなかでもっとも早く戦死し、勘兵衛=志村喬に「これからが苦しくなるのに…」と嘆かせた平八のキャラクターも素敵である。…と思っていたら、前回の感想には、久蔵につづけて平八の名前もちゃんと書き込まれてあるのだった。やはり人間は変わらないのだな。
家庭のテレビ(まだブラウン管である)で観ると、まわりで子供たちが遊んだりしているので、どうしても雑音が入って集中しにくい。井上ひさしさんのように、死ぬまでにあと○度観たいとまでは言わないけれど、せめて一度スクリーンで観てみたいと思わずにはおれない。
七人の侍 [DVD]