散文詩のような映画

四月物語

四月物語」(1998年、ロックウェルアイズ)
監督岩井俊二松たか子田辺誠一藤井かほり加藤和彦江口洋介石井竜也伊武雅刀松本幸四郎藤間紀子松本紀保市川染五郎津田寛治

旧知の書友やましたこうしんさんの日記(http://park17.wakwak.com/~libre/book/index.html)に、岡崎武志さんのブログ経由でこの映画をご覧になったとあったので、気になった。松たか子ファンとしても見逃せない。
この映画が制作された1998年当時、わたしの「松たか子熱」がもっともヒートしていた時期だったはずで、99年1月に新橋演舞場で「天涯の花」の舞台を見に行き、「ナマ松たか子」を花道すぐ脇の席で目の当たりにし、大感激したことを思い出す。
話はわき道にそれるが、このときの相手役は内野聖陽さんだった。当初父親役は小林桂樹さんだったのだけれど、急病で配役変更になってしまったのが、いま思うと悔やまれる。
さて、この時期の松たか子は本当に可愛かった。惚れ惚れする。好きだった高校の先輩(田辺誠一)を慕って東京の同じ私大に入学し、彼がバイトをしていた書店に通うというほのかな恋愛物語だが、一時間強の短篇だから、ストーリーが進展するわけではない。
映画の最後に松たか子が出会う驟雨のように、ザアッと強く降ったあとはさっぱりとした印象を残す、散文詩のような映画だった。