回想の文学座

  • 宗文館書店@東大前
北見治一『回想の文学座中公新書)ISBN4121008499
店頭本。ビニールカバー・帯、200円。

獅子文六『娘と私』を読み終えた直後だけに引っかかった。文学座の俳優として所属していた著者による創立から三島由紀夫『喜びの琴』事件までに至る文学座の記録。
口絵には岸田國士岩田豊雄(=獅子文六)・久保田万太郎創立者“三幹事”の肖像写真。獅子文六が煙草をくわえてニヤリとしている写真がいい。また杉村春子長岡輝子飯沢匡三島由紀夫福田恆存芥川比呂志矢代静一、加藤道夫らの写真。これは面白そうな本だ。
お金を払うとき、お店のおじさんが「ああやっぱり売れたか」と感嘆の声を漏らしたので理由を問うたところ、売値300円を200円に書き換えたばかりだったとのこと。値下げするや否や売れてしまったということだが、別に私は値下げを狙っていたわけでなく、たまたま今日店の前を通りかかって初めて見つけたのである。
「ああやっぱり売れたか」の中味が、「ああ、やっぱりいい本は売れるのだなあ。お客さんもお目が高い」という感嘆の声だったら嬉しかったのだが。
この本は1987年に刊行されたが、中公新書はまだこの時期もビニールカバーがかけられていたのか。