デカダン文庫移転

綾瀬の奥まったところにあった古書肆デカダン文庫がこのほど綾瀬駅前のわかりやすい場所に移転した。東京メトロ千代田線綾瀬駅の西改札口を降り、北口に出てそのまま線路沿いの道路を北千住方向(西)まで戻るとすぐの場所だ。
店主さんは狭くなると言われていたが、並ぶ本の数はあまり変わらないのではないか。逆に増えていたかもしれない。「自分だけが知っている」という感じの濃い品揃えの古本屋がこんなにメジャーになってしまうのは残念であるいっぽうで、客が増えて在庫の回転が早くなるのはいいことだ。
ちょうど前日に南陀楼綾繁さんが来店されたとのことで、店主さんとの間で、南陀楼さんと、南陀楼さんが敬愛する田中小実昌さんの話に花が咲く。店主さんの座る後ろの壁にはコミさんの色紙が掛けられている。

洲之内徹『気まぐれ美術館』(新潮社)ISBN4103110023
函・帯、1800円。新潮文庫版所持、既読ではあるが、『sumus』洲之内特集号の人名索引は元版のページ数によっていることをふじたさん(id:foujita)からうかがい、また元版の造本・装幀も素晴らしいので持っていても損はないと判断し集めていたもの。これでシリーズ5冊中3冊が集まった。残り2冊のうち、1冊については当てがある(内緒)。
森銑三『偉人暦 続編(上)』(中公文庫)ISBN4122030161
森銑三『偉人暦 続編(下)』(中公文庫)ISBN412203017X
各カバー・帯、セット1200円。『偉人暦』正編上下は新刊で出たとき購入したのだが、1997年12月に出た続編は買い漏らしていた。この時期(東京に移る直前)は私がもっとも本から離れていた頃だったかもしれない。「いま読まなくともとりあえず買っておくべき本。買っておかないとあとで品切になったときにしまったと思う本」の典型で、書棚にある『偉人暦』正編をときどき拾い読みするたびに続編のことを思い出し、苦い思いをしていた。ようやくすっきりした。ちなみに本日4月17日は杉田玄白。没日らしいが旧暦と新暦で違うのであまり意味がない。