永井荷風の『墨東綺譚』。もちろん小説としてのできばえには文句のつけようがないけれど、本を手に取って文字を追うときのあの心地よさは、木村荘八の手になる挿絵の力にあずかるところ大だ。繰り返しページを開きたくなるのもあの挿絵のおかげだし、すでに…
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