2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

野田英夫という画家

野田英夫という画家の名前を知ったのは、洲之内徹さんの本だった。現宮城県美術館蔵「洲之内コレクション」中に収められている彼の作品「メリー・ゴー・ラウンド」入手の経緯は、『絵のなかの散歩』*1(新潮文庫)のなかで触れられているが、同書にあるコレ…

ミステリ編集者つながり

綾瀬駅近くの新古本屋 ★生島治郎『浪漫疾風録』(講談社文庫) カバー、300円。生島治郎さんが早川書房の編集者時代を綴った実名小説。先日読んだ宮田昇『戦後「翻訳」風雲録―翻訳者が神々だった時代』*1(本の雑誌社)で言及されており、気になっていた。田…

ナンセンスな金田一映画

角川映画クロニクル@日本映画専門チャンネル(録画HDD) 「金田一耕助の冒険」(1979年、角川春樹事務所・東映) 監督大林宣彦/原作横溝正史/古谷一行/田中邦衛/吉田日出子/坂上二郎/熊谷美由紀/仲谷昇/東千代之介/樹木希林/草野大悟/南州太郎/…

「ものずき」作家の「ものごころ」

堀江敏幸さんの新刊エッセイ集『もののはずみ』*1(角川書店)を最寄駅近くの新刊書店で発見した。書籍部で買えば一割引になるけれど、その日は並んでいなかった。定価の一割に相当する百数十円というお金は、早くこの本を手にして読むことができるという精…

売れない小説家の心理

これまで何度か書いてきたことだが、記憶力のなさは、本読みにとってときとしてプラスになることがある。とりわけ謎解きミステリを読むという局面で、記憶力のなさが功を奏する。要するに、一度読んでも憶えていないから、再読が可能だということ。 『ダカー…

脇役好きに二種あり

茺田研吾さんの『脇役本―ふるほんに読むバイプレーヤーたち』*1(右文書院)を読み終えた。 著者をはじめとした方々のご厚意で、今年2月に出された本書の原型となった私家版はおろか、本書まで懐を痛めず手に入れることができたことを、まず感謝申し上げたい…