2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

のんびり花見をさせてくれ

花見をするには絶好の、おだやかないい日和がつづいている。こういうときに昼食を屋内で食べるのはもったいない。 職場前の小さな古本屋街の店頭本を流しながら気に入った本があれば買い求め、コンビニや弁当チェーン店以外のお店で弁当を買い込んで、近くの…

求む! 第二の獅子文六

獅子文六の長篇『箱根山』*1(講談社文庫大衆文学館)を読み終えた。 この物語は、「西郊」と「関急」という二つの企業の箱根開発競争で生じた軋轢により開催された運輸省での聴聞会で幕を開ける。「西郊」とは西武、「関急」とは東急のこと。西郊の総帥には…

読書は記憶を活性化する

先日奥田英朗さんの『野球の国』*1(光文社文庫、→3/27条)を読んだとき、思いがけず「巨人有田の肩」という記憶の古層に沈んでいたシーンが浮かび上がり、驚いた。 ふだんの暮らしのなかでだって、何かの拍子にすっかり忘れていたある記憶が突如浮かび上が…

第66 春の葛飾サイクリング

堀切はわが町の隣町の、そのまた隣町である。 東京の東部、荒川以北・以東の葛飾区・足立区には、大雑把に言って北に常磐線、南に京成線が平行に走っている。私の最寄り駅亀有からまっすぐ南に南下すると京成のお花茶屋駅があり、亀有の一つ手前が綾瀬駅。そ…

「戦後」という記号

川本三郎さんの『今ひとたびの戦後日本映画』*1(岩波書店)を読み終えた。 本書はもとより中公文庫版*2を持っていた。未読ではあるものの、むかしの日本映画を見るときなど、その手引き書として、予習復習のためその映画に触れられてある箇所を拾い読みする…