2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

サラリーマン小説今昔

先月、中公文庫の「人生の一冊」シリーズとして、松本清張『実感的人生論』と源氏鶏太『わたしの人生案内』が刊行された。いまブームまっただ中の清張はともかく、なぜ源氏鶏太なのだろう。不況でサラリーマン社会が揺らぎつつあるなか、サラリーマン小説の…

「随時小酌」の精神

今日も昨日につづいて『東京人』連載がまとめられた本の話。今日の本はつい最近まで連載されていた文章だ。 川本三郎さんの新著『我もまた渚を枕―東京近郊ひとり旅』*1(晶文社)を読んだ。『東京人』連載の「東京近郊泊まり歩き」がまとめられたもので、先…

行間にたくさんの人生がある

「しょうぎたい」とキーボードで打ち込んでスペースキーを叩く。わがATOKは「将棋対」と変換した。これを取り消しあらためて「しょうぎたい」すべてを変換対象にしても、この6文字のひらがなはひとつづきの文字として漢字に変換されない。「しょうぎたい」、…

東京堂でサイン本、そして…

オフ会の前に東京堂書店に立ち寄り、最近出た新刊のサイン本を購入。 ★鹿島茂『怪帝ナポレオン三世』(講談社) だんだん鹿島さんの本が「大著化」しているような気がする。『情念戦争』といい。ISBN:4062125900 ★坪内祐三『文庫本福袋』(文藝春秋) 今日発…

第2回本のドラフト会議報告

種村サイトのやっきさん、鹿島・堀江サイトの齋藤さんと拙サイトの3サイト合同の忘年オフ会を神保町で開催した。余興として、一昨年の忘年オフ会(やっきさんと私との合同オフだった)で開催した「本のドラフト会議」の二回目をやろうというやっきさんからの…

再読でも面白い松本清張

先日ある書友と飲んだとき、「あの本買いました?」「この本は?」と聞かれ、返答に窮した。先方はいかにも私が買いそうな本をあげてくださったのだが、諸事情で買っていない本が多かったからだ。もっとも店頭で見かけたとき一度は手に取り迷った本ばかりな…