築地からバスに乗って

銀座から築地まで歩く。新生堂奥村書店の前の通り(マロニエ通り)をそのまま築地方向に歩き、旧築地川を亀井橋で渡って築地警察署と電通ビルを過ぎると、がらりと雰囲気が変わって昔ながらの小さな店が軒を連ねる一角がある。
築地一丁目と二丁目の間の交差点角には、緑青の色も時代を感じさせる立派な三階建ての鶏肉・鶏卵店「宮川食鳥鶏卵」がある。帰宅後藤森照信『新版 看板建築』*1三省堂、1999年刊)を確認すると、案の定写真が掲載されていた。キャプションには、「当時、木造の3階建ては建築基準法で許されず、仕方なしに人々はマンサール屋根にして実質3階を得たというが、この商店はどう見たって堂々の総3階建てだ。「諸鳥鶏卵商」は強い」とある(67頁)。
さらに足を伸ばし、通りからちょっと入る路地の奥を覗くと、これまた古風な三階建ての木造家屋が目に入る。家の中から三味線の音が聴こえてきそうな雰囲気の路地のたたずまいに惹き寄せられ、建物の前をうろついてみると、どうやら中は鮨屋か割烹の店らしい。看板建築や木造家屋、こんな建物が築地にはまだまだ多く残っている。
宮川食鳥鶏卵路地奥の和風家屋
築地本願寺駅前から錦糸町駅前行の都営バスに乗ると、そのバスは日比谷線が下を通る新大橋通りの一本西の平成通り(前記宮川食鳥鶏卵が面している)を北東に向かうルートを通る。八丁堀―茅場町―蠣殻町―水天宮前―浜町中の橋という耳に心地よい響きのバス停を通過しながら、新大橋で隅田川を渡り、江東へ。住吉駅前から北に折れ錦糸町に向かうバスを降り、そのまま新大橋通りを東に歩いて、たなべ書店西大島店に行く。

  • たなべ書店西大島店
和田誠『日曜日は歌謡日』(講談社文庫)
カバー・帯、190円。ダブり。ISBN:4061837729
小林信彦『超人探偵』(新潮文庫
カバー・帯、180円。ISBN:410115807X
小林信彦『極東セレナーデ(上)』(新潮文庫
カバー・帯、220円。ISBN:4101158169
小林信彦『極東セレナーデ(下)』(新潮文庫
カバー・帯、220円。ISBN:4101158177
松本清張『神々の乱心(上)』(文春文庫)
カバー・帯、290円。未完の松本清張最後の作品。小口が削れておらず、状態がいいものを見つけたら買おうと思っていた。ISBN:416710685X
松本清張『神々の乱心(下)』(文春文庫)
カバー・帯、290円。ISBN:4167106868