2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

非の打ちどころのない傑作

「映画女優 高峰秀子(1)」@東京国立近代美術館フィルムセンター 「稲妻」(1952年、大映東京) ※二度目 監督成瀬巳喜男/原作林芙美子/高峰秀子/三浦光子/浦辺粂子/村田知英子/小沢栄/中北千枝子/香川京子/根上淳 この映画は去年の春一度観たのでど…

境界線上の紙芝居

加太こうじさんの『紙芝居昭和史』*1(岩波現代文庫)を読み終えた。説明者が自転車に紙芝居をくくりつけあちこちを渡り歩き、公園などに子供たちを集め、彼らに飴を売って紙芝居を見せるというやり方のこの庶民娯楽は、せいぜい昭和5年から同35年までの30年…

文壇ジャーナリズムの原点

週末長男にコミックの『名探偵コナン』を買ってあげるため(というのが表向きの理由)出かけたブックオフで、猪瀬直樹さんの『こころの王国―菊池寛と文藝春秋の誕生』*1(文藝春秋)を見つけたので購った。4月に新刊で出たとき、迷いつつも結局買わないでし…

カフカが近づく

このところ池内紀さんがつづけざまにカフカに関する本を上梓されている。『池内紀の仕事場3 カフカを読む』(みすず書房)、『カフカの書き方』*1(新潮社)、『カフカの生涯』(新書館)、『となりのカフカ』*2(光文社新書)、以上4冊。 このうちみすずの…